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三菱電機が現場ノウハウ生かしたクラウドサービスを2023年内に、OTセキュリティも

三菱電機は「日本ものづくりワールド 2023」における「第35回 設計・製造ソリューション展」に出展し、2023年内にサービス開始予定のモノづくりデータを活用したクラウドサービスのコンセプトを参考出品した他、同サービス展開に必須となるOTセキュリティサービスを紹介しました。

モノづくりに関わるデータを一元的に共通データーベースに集約したデータ活用プラットフォームを構築し、これらを状況に応じたアプリケーションで活用する「製造業向けクラウドサービス」を2023年内に立ち上げる計画です。三菱電機 インダストリー・モビリティBA戦略室 技術ユニット長の秋田裕之氏は「三菱電機のFA領域にとって機器ビジネスはあくまでもベースだと考えている。ただ、そこで得られるデータを活用するビジネスを広げていく。これらを伸ばすことが、機器ビジネスにも好影響をもたらす」と考えを述べています。

新たに立ち上げる製造業向けクラウドサービスは、主に2つの構成で成り立ちます。1つ目は、モノづくりに関連するデータを利活用できる形で収納できる共通データベースを構築することへの支援です。もう1つが、こうしたデータを活用するアプリケーションの展開です。秋田氏は「どちらもモノづくりの知見がある三菱電機だからこそできることだ。データの収集についてもどう使うかという観点や現場に負荷をもたらさないという観点がないと正しく集められない。また、三菱電機そのものがこうした共通データベースの構築に取り組んでいるところで実体験したノウハウを生かすことができる。そこが他のベンダーなどとの差別化になる」と語っています。

日本ものづくりワールド 2023では、「リモート監視」を想定したサービスの形を示しました。製造現場の機器データや映像データなどを常に記録し、エラー発生時に遠隔地にいる担当者にメールが飛ぶというもので、メールには必要な機器データや映像データが一緒に送付されており、何が起こったのかを遠隔地でもすぐに把握できます。「一部のサービスは既に提供されているものもあるが、体系化してあらためてリリースする。アプリケーションの数をさらに広げていく」(担当者)としています。

これらのデータサービス強化に合わせて必須となるOTセキュリティサービスについても新たに開始する予定です。工場現場のサイバーセキュリティ対策については、通常のITセキュリティなどと異なる点も多く、製造現場の可用性を損なわない形で組み込んでいく必要があり、製造現場を知り尽くした三菱電機がこれらを展開することで、現場に最適なセキュリティを確保することが狙いです。

三菱電機 インダストリー・モビリティBA OTセキュリティ事業推進部長の柴田剛志氏は「金融業界向けにセキュリティサービスを展開していたメンバーなどを集めてITとOTの両面で強調してセキュリティを構築できる体制を整えている。ただ、セキュリティについての製品全てを三菱電機内で抱えているわけではないため、最適なセキュリティ製品を三菱電機が見極めて、各現場に最適なセキュリティの在り方を提案できるようにしていく。そのためOTセキュリティ“サービス”としている」と語っています。

具体的には、OTセキュリティについてのリスクアセスメント/コンサルティングサービスから、対策の実装、運用を支援するサービスなどの展開。また、工場のセキュリティ状況を24時間監視してセキュリティインシデントの発生時にこれらのアラートと対策支援を行う「セキュリティオペレーションセンターサービス」なども用意しています。システム面では、金融業界などでも実績のある「環境分離サービス」「通信見える化サービス」「端末制御サービス」「持ち込み媒体対策サービス」「ネットワーク防御」「リモートアクセス制御」などを提供する予定です。

「セキュリティオペレーションセンターは既に金融業界向けでは実施しているサービスで、そのOT版の仕組みを新たに構築した。金融向けのメンバーやOT向けのメンバーなどの混在チームとなっており、インシデントの検知だけでなく対策への支援も直接的に行えるようにしていく」と柴田氏は語っています。

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