スタートアップ企業Modular AIは最近、Pythonの使いやすさとC言語のパフォーマンスを兼ね備えた新たなプログラミング言語「Mojo」を発表しました。同社によれば、MojoはAI計算ハードウェアに直接アクセスできるため、その計算性能はPythonを大幅に上回るとのこと。特定のアルゴリズムの計算では、Mojoの速度はPythonの35000倍に達するとされています。
Modular AIは、Swift言語の創設者であるChris LattnerとTim Davisが2022年に共同設立しました。彼らの目標は、AIのプログラミング開発性、利便性、拡張性、計算方法を根本的に改善するプラットフォームを作り上げることでした。この目標を達成するために、彼らはAIアプリケーションのためのMojo言語を開発しました。同社は、Pythonが強力な言語であり、AI研究に広く使われているにもかかわらず、大規模なワークロードやエッジデバイスでのパフォーマンスとスケーラビリティには問題があり、これがPythonの実際の生産環境での利用を制限していると考えています。
Mojo言語は最新のコンパイラ技術に基づいており、型システムを持つことでプログラムの実行速度が大幅に向上します。また、Mojoは開発者がゼロコストの抽象化を定義することを可能にし、Rust言語のようなメモリ安全性を提供します。Mojoは自動チューニングとコンパイル時のメタプログラミング機能を導入し、これらはどちらもコンパイルプロセス中にプログラムのパフォーマンスを自動的に最適化することができます。Modularの高性能RuntimeとMLIR技術の活用により、Mojoは各種のAIハードウェアを直接操作でき、計算性能をさらに向上させます。Mandelbrotのようなアルゴリズムの計算では、Mojoの速度はPythonの35000倍も速いとされています。
コメント